おはようございます

 

 

昨日 少しご紹介しました「10年放置のクルマを再び乗る」 件

お客様Tさま お勤めの会社からも数人のお客様が当社をご利用して頂いていて Tさまは相当のクルマ好きという噂の人。。

そんなTさまのクルマの車検や修理をご依頼頂き25年位のお付き合いになるであろうか・・・

で Tさま 4ドアセダンのターボのマニュアル車にお乗りで ここ10年程 連絡が無く・・・ 私は「クルマ乗り替えたか ご家族の反対を受けていたのでもう乗るのをやめたのであろう」と思っていたら・・・ 先日

Tさま「専務! いや もう社長になったんですね!! ご無沙汰しておりますTですけど」

わたし「いや~ ご無沙汰しております お元気で!?」

Tさま「いつも 困った時ばかりのご連絡ですみません」

と・・・ 

昨日 書いた通り あの時のクルマを・車検が切れ・・・ ・そのまま10年放置 で いまだに持っていると・・・

で そのクルマはマンションの駐車場にずっと置いてある ということだけは聞いていたので 平置きでない スロープで行き来する駐車場なので 積載車は入らない 以前も なんとかお客様自力でクルマを出してきて頂き 広い場所で待ち合わせしてクルマを預かっておりましたので  今回ばかりは「10年乗ってない」ということで エンジンが掛かるか?期待はできない・・・  そうなると まず 駐車場から どうやってクルマを出すか!?から考えないといけない・・

今回 ご依頼があったのも 昨日書いたのですが 今回 駐車場の地面の線引きのメンテナンスをする為に クルマを動かさなくてはいけない らしく・・・ しかも7/25頃までには クルマを出さなくてはいけない らしく・・・ 我が社にSOSが・・・

まぁ クルマを移動させるのは良いのですが Tさま「このクルマ 車検を取って乗ろうかと思います!!」

と・・・

わたし「えっ!?・・・やめた方がいいです」(まだ現車は見ていないが 確実にやめた方が明解かと思う)

Tさま「ダメですか!?」

わたし「いや・・・10年も動いてないクルマは そんな簡単に動く様にはならないし 動いたとしても 故障が続く・・・ 100万円~費用掛けるなら別だけど 新品部品も期待できないし・・・ 」

Tさま「いや 奥さんの了解も出て 今回クルマを動かす事になって了解が出たから」

わたし「それなら 一度現物をみて・・ でもやめた方がいいですよ 奥様反対されているんですよね?このクルマに乗るの?」

Tさま「いやいや・・・このクルマの事で 喧嘩になるのはいつもの事・・・ そんな妻も 今回は クルマを動かさないといけないという事で OKが出た」

と・・・

わかりますね このブログを見て頂いている方々でしたら・・・ 旧車に乗るって事は ご家族の理解がないと 乗れないのです ご家族に反対されて乗っても 幸せではない と私は思います。。。 それを10年以上前から ゴタゴタやっているTさまなので・・私は「もうおやめになられた方がいい このクルマ」と 散々お伝えしてきたのですが・・・ ご本人は どうしても そのクルマに愛着があるらしく・・・

と いうことで 

わたし「では まずは 駐車場からクルマを出せるか?を見にお伺いします」

ということで 昨晩 車両を見に・・・

「ここです」と 案内された場所は 駐車場の屋上階の青空駐車場にそのクルマはありました

現車にご対面して「あ~あ」と 絶句の私と弟・・・

わかりますよね 想像してみてください

10年間 青空の下に洗車もせずにそのまま置いてあるクルマを想像してみてください・・・

Tさま「社長には怒られてしまいますが・・・こんな放置状態のクルマを復活させたいのですが」

わたし「これ とりあえず 預かる段取りは取りますが まさか 直しませんよね?」

Tさま「奥さんの許可もおりたので 乗りたいのですが・・・ ホントこのクルマの事では 夫婦喧嘩が絶えません」

わたし「いや・・やめた方が良いと思います ここまでボロボロにしてしまって 直して乗っても 壊れては直し 壊れては直しで 結果奥さん 怒りだしますし  今の我が社では このクルマ 復活させる時間もありません  そんなに乗りたければ 200万円でも300万円でも 出して 同じクルマ買った方がよいです」

Tさま「そうですか・・・ でも 思い入れがあって・・・」

わたし「思い入れがある人が 愛するクルマをこんな苔だらけの放置はしません  直しても また こうなって終ると思います」

Tさま「でも 乗りたいんです」

わたし「いやいや・・・ここまで放置しておいて乗りたいって言われても・・・・ご家族の為にも もうやめた方がいいです それの方が円満なのですよね!?」

Tさま「そうですが・・私はこれに乗りたい」

と・・・

私がなんで そんなに「やめろ」というのかというと

まず 家族が反対しているということ

わたし「そんなにのりたければ 離婚して乗るっていうならいいんじゃないですか?そこまでの気持ちなければ 乗らない方がいいです」

Tさま「そこまで言いますか!?」

わたし「いや 現実にそうされてまで乗ると覚悟決めて乗るお客様も居ますから・・・ たかがクルマ されどクルマですよ」

Tさま「社長にそこまで言われるとは・・・」

 

それに 私が思うに このTさま クルマに愛があると言う程 このクルマを愛していないと感じられるから・・・ そもそも愛していれば ここまで苔だらけにならないし・・・ しかも あれから10年も経過すれば このクルマも30年を超すクルマとなる より一層クルマに愛を注がないと 乗っていけない 奥さんとクルマの事で喧嘩しているウチに10年経過して クルマがこのあり様だったら・・・ クルマを捨てて家庭を大切にした方がよいと私は思ったから・・・ ウチに来るお客様みても なんだかんだで 奥様や家庭の理解があって なんだかんだで皆さん古いクルマを乗られてるご家庭が多い事から・・ 

わたし「そこまでこのクルマを愛していたら この苔だらけにはならないでしょう・・・」

Tさま「・・・」

Tさま「実際このクルマを動かすのに 幾ら位で可能ですか?電話で100万位でって その位で乗れる様になるのであれば お願いしようかなって思うんだけど」

わたし「いや~ 確実に言えるのは まともに動くには 数年かかるでしょう あそこを直せばここが壊れる ここを直せばコッチが壊れると・・・それに 部品もどこまで揃うかわからないし・・・」

Tさま「・・・」

わたし「早い話 私が この時代これから「飲食店をオープンさせるので2億円を銀行から融資してもらうんだ」って言ってる様な位にめちゃくちゃな話です」

Tさま「はぁ・・・」

と・・・

そんなやりとりをして 結果 明日の月曜日の夜 とりあえクルマを引き上げにいく約束をして 帰社・・・

その帰り道 兄弟で「やめた方がいいよな 仮に直してもまた放置となり同じ事になりかねないしな・・・」と・・・

よく「やった後悔とやらなかった後悔」なんて言葉ありますが・・・  今回の場合 もう「やったので 後悔はないでしょう」だと思うんですね。。。 クルマが無くても生きていける生活だと思いますので・・・ もういいんじゃないですかね・・・ と私は思う。。でもそれじゃ お客様ではなくなってしまうので 直しては動かなくなり 直しては動かなくなりを繰り返してくれた方がお金になるのか!! 直してもらうか!!

 

我が社には いろいろなお客様にご来店頂く

年代的には やはり 家庭があり その中で 好きなクルマに乗るお客様が多い

先に書いたが なんだかんだで 奥様や家族の理解があり 皆さん古いクルマに頑張って乗る

または 自分の夢や生き方に進む為に 家族と別れを告げて 次の人生を歩むお客様もいる・・ そこまで決断をして乗るっていうのであれば それはそれで経験なので 良いコトだと私は思う

人生 人それぞれだが・・・  とりあえずご家族が「嫌だ」と言われてて それにクルマもこんなに苔だらけなのだから・・・ 

Tさま曰く「ずっとクルマの事ばかり考えてた」

とおっしゃるが・・・

なら こんなに苔だらけの放置車にしちゃ~ダメでしょ!?と・・・ 言いたくなってしまう・・・が・・・

それに そんなクルマを我が社に運びこんだところで すぐには直せない・・・し 私は やりたくない(こんなに重病患者に手を出す時間がない) 私の所に依頼してくる事が間違いかもしれない・・(それだけに誰も話を聞かないであろう業者さんでも 悪いクルマ屋に引き取られて詐欺にあうのがオチであろう・・)

明日の晩 とりあえずクルマを預かる  その間までお客様もいろいろ考える事もあるであろう・・・

果たしていかに・・・

でも なんでお客様のクルマ人生に そこまで言うのか?って!? 確かに大きなお世話ですが・・・ お金をもらって 修理をするので また動かなくなろうと知ったこっちゃじゃありませんが・・ でも 修理するのに私は出来る限りの事を尽くして作業します その後 どう扱おうと勝手ですが あまりにも無残な姿になるクルマを見ると悲しくなるのです・・・ あれだけ苦労して動く様にしたのに・・ なんで!?って 思うワケですよ そこまで私は 思いを込めて修理しているつもりですので・・・勝手を申してすみません。。

で 本当に好きならば

例えば 当時500万円だったクルマにプレミアがついて今や1000万円したとする・・・ 

欲しければ買えばいい・・・

それよりも「このクルマ価値がある」と言いながら ボロボロで動かなくなったクルマを眺めて「どうしようどうしよう」と 悩んでいる時には そのクルマに乗るタイミングでないと思う・・・ ならば そのクルマとはおさらばして 死ぬ気で働いて 金持ちになったら そのクルマをポンと買えば良い

先日もR32のGT-Rやポルシェ911の新古車が3000万円で落札 なんてあったが・・・

そう!そんなクルマをポンと買える様になってからそんなクルマに乗ればいい・・

年収1億円稼ぐ様なオトコであれば・・・ 買えなくはない 維持もできるであろう・・・

クルマなんてそんな乗り物だと私は思う・・・

まあ 軽自動車に乗ってる私が言えた義理じゃないけどね・・・

この仕事やっていて思うけど クルマって 本当にお金が掛かる ましてや楽しむクルマに乗るには更に金がかかる・・・

「ないものねだり」をしたくなるのが人間・・・ 

でもさ・・・ 欲しいのがロマンなのよね 夢なのよね・・・

そんなクルマ夢の伝道師になれる様・・・ 

本日も愛を注いで作業開始です!!

でも なぜ私はクルマに夢がないのか?というと・・・ 疲れるからです「このクルマをあれもしたい」「こうしたい」と それを全て 自分の手で叶えられる仕事・・・ そんな夢を考えているだけで疲れてしまうのです燃え尽きてしまうのです 妄想トリップが止まらないのです 

だから お客様の夢を叶えるお手伝いをするだけで 自分では 乗りたいと思うクルマは 今は買えません 先週みた・ベントレーや・フェラーリー・・・ いつかは・・・いつかは・・・ と 私は そんな位がいいのです 現に ブガッティに乗ってる私を見たら「夢かなえたな」と思ってください  それが私の夢なのです。。(ウソの様な ホントの話です)

 

皆様も素敵な週末を!!